住宅リストラ?家余りと空き家問題の深刻化
みなさんこんばんは。
今日は気になるニュース記事を見つけたので、詳しく解説していきたいと思います。
家余り1000万戸時代の真実
さて、2022年9月4日の日経新聞電子版にこんな見出しの記事が出ていました。
「家余り1000万戸時代へ 「住宅リストラ」待ったなし」
という記事です。
記事によれば、2023年には住宅総数が世帯数に対して約1000万戸も余る時代が到来するという。
戦後の住宅不足の解消を目指す政策が人口減少社会でも維持されたことで家余りがさらに深刻になるというもの。
戦後の住宅政策
住宅政策の中で代表的なものといえば、「ニュータウン」の建設です。
ニュータウンとは
①1955年度以降に事業に着手
②施工面積16ha以上で、計画戸数1000戸以上または計
画人口3000人以上
③人口集中地区ではない区域で開発
という基準を満たすものであり、全国で2010地区(2011年3月時点)あると言われています。
これにより都市部周辺にベッドタウンが数多く作られました。
また、新築住宅には現在でも以下の政策がなされています。
1.住宅ローン減税
住宅ローン減税の控除期間が13年間
2.すまい給付金
収入に応じて最大50万円を給付
3.住宅取得等のための資金に係る贈与税非課税措置
贈与税非課税枠は最大1,500万円
4.グリーン住宅ポイント制度
新築最大40万円相当、リフォーム最大30万円相当。
新たなポイント制度を創設。
※一定の要件を満たす場合、新築最大100万円相当に引上げ、既存住宅の購入や賃貸住宅の建設もポイント対象に。
これらの政策があることで、日本では中古物件を買うよりも新築で建てた方がお得という思考が浸透しているのです。
日本に迫る空き家危機
こんな調子で新築を推奨する政策がなされてきた裏で深刻な空き家問題が発生してきています。
総務省の住宅・土地統計調査によると日本の住宅総数は18年時点で約6241万戸で、野村総合研究所は23年に最大6546万戸へ増えると見込んでいます。
日本は人口が減少しているにもかかわらず、新築を購入する世帯が多く、実家等が空き家になっているという現状が顕著にみられるわけです。
人口減少が推計されても新築中心の住宅産業を育成する経済政策は大きく変わらなかったのです。
それは、新築で建ててもらえた方が建築業界も潤い、経済が循環するからであることに他ならないのです。
新築中心の住宅産業の功罪
では新築を推奨する政策がもたらした現在の日本の現状はどうでしょうか?
確かに新築を購入する人はいまだにいる状況が多いので、一部の工務店やハウスメーカーは儲かっていることと思います。
ニュータウン構想で言えば、大手ゼネコンは公共事業として多くの収益が生まれたことでしょう。
経済の循環という観点で言えばこの公共投資や政策は成功していると言えるでしょう。
しかし、空き家問題は深刻化の一途をたどっています。
本来、空き家になっている家を除却して新築を建てるのであれば住宅の総数は変わらず、空き家問題など存在しないはずなのです。
そうは言っても弊社が本拠を置く名古屋市でも空き家は存在します。
空き家になる最大の理由は、家のオーナーが亡くなり、親戚がそのエリアに住んでおらず、家を引き継ぐ人がいないというもの。
地方になればなるほどその傾向は顕著になります。
地方に住んでいた人が都会に移住し、誰も住んでいない実家が放置される状況が多く生まれているのです。
住宅リストラとは?
記事にあった住宅リストラとはどのようなものなのでしょうか?
前述の通り、住宅の除却数と建築数が一緒ならば空き家は増えないはずです。
でも空き家は増えているのです。
では、どうすればいいのか。その対策が「住宅リストラ」です。
人口減少時代の家余りに対応する方法は大きく2つです。
1つ目は既存住宅の有効活用です。
これは弊社が最も得意とする分野なのですが、いわゆる空き家再生です。
日本では新築思考が根強いですが、欧米では、既存住宅の価値が評価されています。
新築よりも中古の物件の方が高く売れる場合もあるくらいです。
近年の日本でも古民家を利用したカフェなどその価値が見直されてきていますが、それでもまだまだ少数です。
そんな空き家や古民家を活用していくのが一つの解消方法です。
2つ目は解体です。
こちらが住宅リストラと言われるものになります。
解体をし、土地を有効活用していくというものになります。
これがなかなか進まないのは、固定資産税が大きく影響しています。
固定資産税と空き家についてはこちらの記事で解説しているので、ぜひ読んでみてください。
そうは言っても、条件を満たしてしまうと空き家の状態でも固定資産税は上がってしまうので、詳しくは上の記事を読んでみてほしいです。
空き家問題の解決策は?
上記の内容を踏まえると、空き家問題の最良の解決策は上でも記載した通り、「空き家を活用すること」にあると思います。
弊社では、長野県諏訪郡に1軒目の空き家を再生したシェアハウスを今年の6月にオープンし、現在は2軒目に向けて調整中です。
空き家にお悩みの方はエリアを問わずぜひ一度ご相談ください。
弊社では、空き家をお持ちのオーナーさんに少しでも役に立てるようにサービス提供しております。
相談は無料なので、ぜひお気軽にご相談くださいね♪
弊社事業の詳細はこちら!
お問い合わせはこちらから
この記事へのコメントはありません。